小説

夏に死を思うと突き抜ける清々しさ。

だって、あんな薄水色が、返事もしないのに私を誘

うの。

 

ロマンスの洪水の中に生育してきた私たち。

いつまでも太宰から足が洗えない。

もうそれを恥じることはない。

居直り、笑い、忘れたふりをする。

そしてじめじめと黴を生やすように思考する。

意味なんてあるもんか。

それが彼と私の浪漫的完成だ。