逡巡について

早くきて、私の胸元に落ちた 国防色の服着て軟弱な私たちはこのままどこまでも USABARASHI 春のナイーブ 飲みに行くより 歩いて帰る方がいい 頭痛の理由付け そこかしこに花が むせ返るから。 相当数の憂いごと、 パトカー、 赤茶グレーの川 濁したやつを殺…

最近はずっとあっけらかんとしたあばずれに憧れている。 でも、そうなった時の自分のこと絶対に好きになれないと思う。 この自分でいるのはこんなに苦しいのに、いざとなったら手放したくない。時間というものは、愛着というものは恐ろしい。

あなたのその痛ましい癖 そうやって社会を堪えてきたのでしょう 分かったふりで抱き寄せる私の腕が何よりも震えてる

数日前までとても寒かったのに、突如春めいた土曜の昼、FISHMANSのWEATHER REPORTを聴きながら爪切りをしていた。その時は何か難しいことを考えていて、ふと答えが出た気がしたんだけど、足の中指の爪を切る角度にこだわった瞬間、言葉として組み立つ前に霧…

生き物を飼う恐ろしさ 人のそれよりあからさまに生々しい死の匂いを嗅ぎ続けながら生活することにどうして耐えることができようか 愛しているのに 生々しい、死

恥ずかしくてつまんないから これが私の死にたい理由ずっと 私がずっとという言葉をよく使うのは、不変であると思うと安心するからなのかな 可哀想な自分にお風呂をわかす こういうメタぶった態度もダメなんだろうね 本当に疲れた だって全部自分の問題だか…

アパート

苦しくさせないでくれよ こけた頬を縁取る髪 何処にも行かない理由を逆さにして ここで聞かせてほしい 分からないんだ そのシャツで果物を磨くのに 悲しみは必要ないだろう 斜めに見た格子状の空に刺されるよ 黒々した瞳を覗いて 駄目だと分かった五月

球根

チューリップをずっと植えているのは いつかあなたを殺すため無理に吐いたりしないでいいよ 風に吹かれて揺れるだけ土曜日の朝は白い仕草で 猫の帰りを待っている天気予報は君の機嫌も私の春風邪も 治す気がないみたい私は植物だから 春の日の枯葉になって …

ホームにて

睫毛に巣食う光が私を連れていく 風邪薬で忘れてしまった君の名前 プラットホームの陽だまりに 今思い出せそうなんだいつかを待ち続けたら そのままの形で化石になってしまうよ 四月の匂いが覚束ない足元を攫う 子どもの私の元へ 胸に詰まる涙を線路が連れて…

渓谷

遠ざける 落としたものは 途端見えなくなる泣けない貴方 帰れない私と 此処で運命みたいな顔をして互いの青を塗り替えて微笑む 臆病な そして寂しい私たちを隠して分かっている? 言葉以外の手段でかける 呪いの果てしなさ拭えない悲しさは耐えていたい身体…

遁走丁女

なんかね水槽の匂いがして 濡れた道路睨むまるで私で 書留、全部捨てた 不安症ね ラストから遡れば早いかもね明日はゴミの日 また今度来てなんかね水槽の匂いがして 濡れた道路睨むそれは私で 半年、全部忘れた 普段通りDAY タクシー足組んで選ぶ本音明日は…

無光沢

赤マルは私にはすっかり重くなってしまった。 はじめに吸ったのは赤マル、あるいはハイライトメンソールだったと思う。 そうだね、あの頃からずっと、私は何をしてもいいってことを私に教えてあげるために生きてるの、変わってないね。いつだってそうしない…

白痴になれば人生楽しいよみたいなグロテスクなススメをしてやがる輩が増えたな 自衛のための放棄、愚かしい言説だね 考えすぎで病むなら世界中全員病んだらいいかくいう私は日々無茶な意味付けで何でも適当に愛している 例えば自身の相貌の歪、幼稚な男、狭…

勿論決意は美しい。だけど心変わりこそが人間の醍醐味でしょうってこれは、慰めとよすがです。 決意も移り行く姿も愛します。

夜の外套

一人は無理だとか思い走った夜には、好きな男に電話をかけて、繋がらなくて、それならばとどうにもならない男に電話をかけて、彼と話して電話を切って、それでもまだ好きな男からの折り返しを待ったりして それはもう大変にみっともなく、それでいて、なりふ…

私は知っている。貴方が私をやめられないことを。それを恋と呼んでも別にいいけど、火をつけたばかりの煙草を吐き出してしまったような中途半端、勿体無さそれによる執着と何が違うのかな。 私は知らない。貴方が訳文のような文章を書くわけを。きっとね。賢…

マクロなことはいつも手触りがなくて、だから私はいつも眼前の、漂う香りにつられ手を伸ばしビビビビッいつか手触りのないおおきなものを抱きしめられた時、その実感が永遠に消えませんように

書き付け

一旦死んだ事にして欲しくて私、 だから誰とも私の話はしないで 私も極力誰とも連絡しませんから 構ってほしいだけかもしれませんけど何だか憑物が落ちましたの私 ねえお願いですから、あの人にも死んだとお伝えくださいまし

凍てつきのセゾン

悲しみを走馬灯のようにしたためた空気の匂い、未熟を容赦なく責め続ける寒さ、叶わなかった全てを映し出す水っぽい空、空

刺繍

託すことの眩しさよ 私たち咲きましょう 足もつれたのち、もうすぐ咲きましょう 日差しの元、愁うことなく 睫毛に憩う愛しさを、余すことなく見つめたい 時に、見えない糸を伝わせ 暗がりの窓を穿ち 涙流し込む夜も許してほしい 甘えてほしい あなたの中心に…

憔悴、許容回数ゆうに超えて再生 あなたが蠢いて崩れよう

呪いでありお守り 踏まれても枯れない雑草の名前をつけられました 庭には皮肉にも皮肉にも花が咲く

例えば、自身の過ちを過去形で話そうとしたのを現在形に言い直すみたいに、自らを苛めるような誠意がいつか実を結ぶとしたら、その時にはどうか自分にも他者にも寛容な人間で在りたい

ちょっとだけ、端っこだけ汚しておきたいの 私完璧にできないから先にバツつけといてもらうの

勝ち戦

あなた、あなた、といってもそれは貴方への眼差しじゃない、貴方を見ている私への眼差しだ。だから、詩だけはどこまで行っても私のものだ。

芸術は破壊と創造の螺旋の上にあるべきだが、私にはもう自分自身と永遠に答え合わせするための解説でしかない。鑑賞は感傷となり、生を失った。

今日のよすが

古本屋に来た。 本屋は物と情報の量でパニックになるから嫌いだけど今から喫茶店で読む本を調達しないといけない。 辛い気持ち、それも女にしか分からない気持ちの筈だから、女が書いた、とびきり寂しい本がいい。 だけど私は作家を知らない。とりあえず聞い…

色々考えるって教えてくれたね 何を考えてるの 私のどこを好きになったのか知らないが、私は幸せにしてあげたいし一緒に幸せになりたいよ、折角出会ったのだよ、歪で痛々しくて触れづらいところこそ撫でてあげたいよ、撫でられないでどうする

今目の前にあるものしか覚えられないから、あとから幸せを再生するのが本当に下手で、だから約束をし続けないと、次という今を約束してくれないと、楽しかったあの時も昨日も全部夢のように感じて信じられない あなたの前で惨めな女にならないため、一人の夜…

真実とか答えがあるみたいに思ってるんだね

このまま捻くれてものを考え続けても調子が悪くなっていくだけだから、20代半ばは何も考えず快楽に従って生きていこうと思う そしたらまた勝手にものを考えるようになって、その時には幾分気が楽になってるかもしれないから (何も考えず生きるなんて不可能…