刺繍

託すことの眩しさよ 私たち咲きましょう

足もつれたのち、もうすぐ咲きましょう


日差しの元、愁うことなく

睫毛に憩う愛しさを、余すことなく見つめたい


時に、見えない糸を伝わせ

暗がりの窓を穿ち

涙流し込む夜も許してほしい 甘えてほしい


あなたの中心に無限を見る

不可逆のその心を

飽くことなく、その輪郭を

指でなぞってみせるから


あなたは何度も書き直す

優しさを愛する人

同じ言葉を持って生まれた私たち

そう信じても笑ってくれるかな


あなたは何度も縫い直す

継ぎ接ぎの顕まで愛する人

知性の尻尾が悲しみなんて知らずに

ひとりで涙を流す人